歌枠・カラオケ配信の音をOBSに乗せる方法

歌枠やカラオケ配信で、DAW で流しているオケと自分の声をまとめて OBS に乗せたい—— ここでは無料DAW「Utawave」の音を OBS などの配信ソフトへ送る方法を解説します。 オーディオ機器を ASIO で使っていてOBS が音を拾えないときの対処(配信ミラー出力)も紹介します。

やりたいこと:DAWの音を配信に乗せる

歌枠配信では、Utawave で再生しているオケと、Utawave の入力モニター(EQ やリバーブを通した自分の声の返し)を、 そのまま OBS のマイク・音声としても配信に流したい、という場面がよくあります。 やり方は、パソコンのオーディオ環境(ドライバの種類)によって 2 通りに分かれます。

Windows で標準ドライバ(WASAPI)を使っている場合

Windows の標準ドライバ(WASAPI / DirectSound)で Utawave を使っている場合は、とても簡単です。 OBS の「ソース」→「アプリケーション音声キャプチャ」を追加し、キャプチャ対象に Utawave を選ぶだけで、 Utawave の音(オケ+声の返し)が配信に乗ります。特別な設定は要りません。

アプリケーション音声キャプチャは Windows 10(バージョン 2004)以降で使えます。

ASIO を使っていると OBS が音を拾えない

一方、レイテンシ(声の遅れ)を減らすためにASIO ドライバを使っている場合、 OBS の「アプリケーション音声キャプチャ」ではUtawave の音を拾えません。 これは ASIO が、Windows のオーディオの仕組みを経由せずにオーディオ機器と直接やり取りする方式のため、 OBS から見ると「音が鳴っているセッションが存在しない」状態になるからです(OBS 側の不具合ではありません)。

「WASAPI に切り替えれば OBS で拾えるけれど、今度はモニターの遅延が大きくて歌えない」—— この板ばさみを解決するのが、次に紹介する配信ミラー出力です。

その前に:オーディオインターフェイスに「ループバック」機能があれば、そちらが簡単です。 ループバック搭載機(配信向けのインターフェイスに多い)は、インターフェイスが出している音を そのまま入力として返せるので、ASIO で低遅延のまま歌いつつ、その返しを OBS で拾えます。 この場合は配信ミラー出力を使う必要はありません。配信ミラー出力は、ループバックを持たない インターフェイスのための機能です。

解決策:Utawave の「配信ミラー出力」を使う

配信ミラー出力は、いま聞こえている音(オケ+声の返し)を、 メインの出力とは別の出力デバイスへ同時に流す機能です。 メインはこれまでどおり ASIO で低遅延のまま歌い、コピーの音を OBS に拾わせます。 ミラー側は Windows 標準の仕組みで鳴るので、OBS のアプリケーション音声キャプチャで問題なく拾えます。

  1. 画面右上の SETTING ボタン(環境設定)を開き、「配信」の項目まで進みます。
  2. 「配信ミラー出力を使う」にチェックを入れます。
  3. 「ミラーの出力先デバイス」で、普段聞いていないデバイスを選びます (パソコン内蔵のスピーカー端子や、つないでいる HDMI モニターなど)。
  4. OBS で「ソース」→「アプリケーション音声キャプチャ」を追加し、Utawave を選びます。
ミラーの出力先は「聞いていないデバイス」を選ぶのがポイントです。 ミラーの音はOBS に拾わせるためだけのもので、実際に耳で聞こえている必要はありません。 メインと同じデバイスを選ぶと、同じ音が二重に(少し遅れて)聞こえて歌いづらくなるので避けてください。 オーディオインターフェイスが 1 台だけでも、パソコンには内蔵スピーカー端子などがたいてい余っているので、そこへ出せば大丈夫です。

ミラー先のスピーカーから音が出てしまうとき

内蔵スピーカーなど、ミラー先に選んだデバイスから実際に音が出てしまう場合は、 そのデバイスの音量を下げます。Windows では次の手順です。

  1. タスクバーのスタートボタン隣などから 「設定」を開きます。
  2. 「システム」→「サウンド」と進みます。
  3. 「出力」のデバイス一覧から、ミラー先に選んだデバイスをクリックして開きます。
  4. 「音量」のスライダーを 0 まで下げます。

OBS の「アプリケーション音声キャプチャ」は Utawave の音を直接拾うため、 多くの環境ではこの操作でスピーカーだけが静かになり、配信に乗る音はそのまま保たれます。 念のため、下げたあとに OBS の「音声ミキサー」で Utawave のメーターが動いているかを確認してください (もしメーターも止まってしまう機種の場合は、音量を戻し、代わりに次の「音が出ない出力を選ぶ」方法にしてください)。

そもそも音が出ない出力を選べば、この操作は不要です。 たとえば何も繋いでいない HDMI ポートや、ケーブルを挿していないライン出力端子を ミラー先にすれば、物理的に音が出ないので一番確実です。

映像と声がずれるときは(同期オフセット)

配信を確認して、カメラ映像と歌声のタイミングがずれていると感じたら、 OBS の「音声ミキサー」→ 歯車 →「オーディオの詳細プロパティ」を開き、 Utawave の音声の「同期オフセット」を調整します。 配信ミラー出力の遅れはほぼ一定なので、一度合わせれば、そのままずれ続けることはありません。 多くの場合、カメラ映像のほうが遅いので、Utawave を含む各音声に正の値(=遅らせる)を少しずつ足して映像に合わせます。

録音・書き出しには影響しません

配信ミラー出力は、あくまで「聞こえている音のコピー」を別デバイスへ流すだけです。 録音されるファイルや、書き出す音源には一切影響しません。安心して配信中に使えます。

ブラウザやカラオケアプリの音も配信に乗せる(アプリケーショントラック・Windows)

歌枠では、YouTube のブラウザや、パソコン版のカラオケアプリのオケを流しながら歌うこともよくあります。 Utawave のアプリケーショントラックを使うと、こうした他のアプリの音をトラックとして取り込み、 自分の声と一緒にヘッドホンと配信へまとめて流せます。仮想オーディオケーブルは不要です (配信ソフトのアプリ音声キャプチャと同じ仕組みで、OS からアプリの音を直接取り込みます)。

設定は次の手順です。

  1. 画面右上の SETTING ボタン(環境設定)→「配信」で、 「アプリケーショントラックを追加できるようにする」をオンにします。
  2. トラック一覧の 「+」→「アプリケーショントラックを追加」を選びます。
  3. 追加したトラックの 「アプリを選択…」ボタンから、いま音を鳴らしているアプリ(ブラウザなど)を選びます。
  4. トラックの音量・Panで歌とオケのバランスを整えます(M でミュート、INS スロットに EQ などのエフェクトも挿せます)。
取り込んだ音は、いま聞こえている音の一部としてヘッドホンにも配信にも乗ります (配信ミラー出力、または配信ソフトのアプリ音声キャプチャで Utawave を拾えば、そのまま配信に流れます)。 一方で録音ファイルや書き出しには一切入りません——配信・練習用のライブ専用です。 複数のアプリを混ぜたいときは、トラックを増やして 1 トラックに 1 アプリずつ割り当ててください。

本体スピーカーから音が鳴ってしまうとき

パソコンによっては、取り込んでいるアプリの音が本体スピーカー(ノートパソコンの内蔵スピーカーや、デスクトップのマザーボード内蔵スピーカーなど)からも鳴ってしまうことがあります。 配信中に本体から音を出したくない場合は、モニターをヘッドホンやオーディオインターフェイスにしたうえで、 本体スピーカーの出力デバイスをミュートします。

  1. 「設定 → システム → サウンド → 出力」を開きます。
  2. デバイス一覧から本体スピーカーを選び、音量を 0 にします。
ミュートは必ず「出力デバイス」側で行ってください。 アプリの音を取り込む仕組みは、このデバイスごとのミュートより手前で音を拾うため、 デバイスを黙らせても取り込みは止まらず、配信にはそのまま乗ります。 逆に、Windows の「音量ミキサー」でアプリ単体をミュートすると、取り込みも一緒に消えてしまうので避けてください。
この機能は Windows 専用です。macOS ではブラウザの音を同じデバイスでそのまま聞けるため、この機能はありません。

Mac の場合

macOS では、macOS 13(Ventura)以降であれば OBS 側の「macOS 画面キャプチャ(音声)」機能で Utawave の音を直接拾えるため、通常は配信ミラー出力を使う必要はありません(OBS のバージョンにより対応状況が異なります)。 それより古い macOS や、仮想オーディオデバイスを使う構成にしたい場合は、ミラーの出力先にその仮想デバイスを選んで拾わせることもできます。

関連: 声の遅れそのものを減らす設定は レイテンシ(声の遅れ)を減らす設定、 録音の基本は 歌ってみたの始め方|必要な機材と録音設定、 その他のつまずきは よくある質問(FAQ) にまとめています。

歌枠・カラオケ配信を始めるには、まず 無料DAW「Utawave」のダウンロードページ から入手してください(Windows / Mac 対応)。